お問い合せはこちら

台湾障がい者福祉施設を視察

台湾の障がい福祉施設を視察しました。

2024年6月20日から22日にかけて、私たちの福祉の勉強会のメンバーとともに、台湾の福祉施設を視察する機会をいただき台北市中心部に位置する3つの施設を見学させていただきました。

6月20日(木)

9時25分成田空港発のチャイナエアラインにて12時5分に台北桃園国際空港に到着。3時間半で到着です。早いですね。台湾は日本とフィリピンの間ぐらいに位置し、沖縄の下の方と言えばイメージできるでしょうか。

台北空港を出た瞬間、暑い!その日の最高気温35度、最低気温27度で湿度も高めなので、体感温度はそれ以上に感じました。空港で他のメンバーと合流後、十分を観光しました。十分では天灯上げ体験や十分駅の老街散策をしました。私たちが行った時、タイミングよく列車が入ってきて間近で見ることができました。アジアって感じですね

ちなみに「9分」という観光地もあり、こちらは『千と千尋の神隠し』の舞台となった場所です。こちらも行ってみたかったのですが、時間の関係で断念しました。その後、台北市内で夕食をとり、ホテルに戻り早めに就寝しました。

6月21日(金)

朝、ホテルロビーに集合し、マイクロバスで就労施設、就労販売店、そして障がい者グループホームの3箇所を見学しました。これらの施設は広々としていて、おしゃれな内装が施され、利用者一人ひとりのニーズに合わせた工夫が随所に見られました。

  • 就労施設、就労販売店
    各自己紹介の後、施設長やスタッフの方が台湾の障がい福祉事情についてお話ししてくれて、簡単なディスカッションを行いました。日本と似ている部分や少し手厚い部分などを感じました。見学した就労施設では石鹸やクッキーなどを作り、箱詰めやシール貼り、商品梱包までを行い、そこから徒歩3分ほどの就労販売店で販売していました。すべてダウン症の方や精神・身体障がいのある方たちが自分で行い、職業訓練を通して自立に向けて一生懸命頑張っている姿が印象的でした。

障がい者グループホーム
今回見学した障がい者グループホームは24時間体制で、70名ほどの利用者さんが生活しています。ベッド下に設置されたセンサーで就寝中の心拍数や寝返りなどを管理し、トイレにもセンサーが設置されており、全て事務室のモニターで一元管理されています。

利用者が倒れて動けなくなった場合にも迅速に対応できるようになっています。その他にもトイレの使用時に少しでも負担が少なくなるような補助器具、昇降式の洗面台、車椅子の利用者に配慮したテーブル形状など、細かい配慮がなされていました。さらに、歯科用診察ユニットがあり、外部から歯科医師に来てもらい利用者はそこで治療を受けるとのことでした。日本でも歯科の訪問診療は一般的ですが、訪問先に診療ユニットがあるのは驚きました。台湾でも働き手が減少傾向で、少しでも人手不足を補うためにツールや機械などを積極的に利用しているようでした。

6月22日(土)

最終日、14時30分のフライトでしたので午前中ホテルのチェックアウト後に空港に向かいました。2泊3日の海外はバタバタでした。せめてもう1泊くらい出来れば9分まで行きたかったのですがそれは次回個人旅行で行った時の楽しみにしましょう。

障がい者支援プログラムと今後の課題

台湾の福祉施設では、幼少期からの支援プログラムが充実しており、障害の度合いに応じて支援内容を変える点は日本と同様です。特に、個々のニーズに合わせたきめ細やかな支援が行われている点には驚かされました。しかし、親無き後の支援に関する課題は日本と同様に存在しており、国全体の働き手不足も深刻な問題となっています。福祉施設で働くためには何らかの資格や研修が必須とされており、職員の質の高さが伺えます。しかし、グループホームの空きがなく、待機待ちの状態が続いていることや、空きがあってもスタッフ不足で受け入れが困難な状況があることも少なくないそうです。これらの課題に対して、どのように対応していくかが今後の重要な課題となりますね。

まとめ

今回の視察を通じて、台湾の障がい者福祉施設が非常に充実していることを実感しました。どの施設も利用者にとって最適な環境を提供するための工夫が凝らされており、支援体制も整っています。しかし、スタッフの不足や親無き後の支援など、解決すべき課題も多く存在しています。これからも、国境を越えて福祉に関する情報交換や協力を深め、より良い支援体制を築いていくことが求められます。

その他、台湾の交通事情は日本同様交通ルール厳守、歩行者優先です。車、オートバイ優先の国ではなかったので横断歩道も安心して渡れました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です